ふと想うこと

　　風

今日はとてもさわやかな風が吹いている。
そして美しく、優しい雲が流れている。
これだけで、僕は嬉しくなってしまうのだけれど、
人生は風と雲だけで埋めるわけには行かない。
僕が若かった頃、ある先輩から、少しのお金がないと
人間の五感までにぶってしまう、だから働かなくては、と教わった。
そう、確かに人が生きて行くには、少しばかりのお金が必要だと思う。
けれどもいつの間にか、この国の人々はお金に対する考えだけを、
大きく膨らませてしまったのではないだろうか。
すると、不思議なことに、人間のいきる理由、
人間への愛がしぼんでしまうのだ。
人間が生き生きした五感を持つために、
少しばかりのお金がいるのであって、
お金のために五感があるわけではない。
別な言い方をすれば、豊かな愛をいきるためにお金がいるのだ。
そして、愛は偶然だけで生まれるものではないことも忘れてはいけないと思う。
自分の心の土に種をまき、水と太陽と風を呼んで育てていく。
たぶん、愛や夢はそうゆうものなのだろうと思う。
人との出会いも又、心が求めるものでなければ、
偶然の積み重ねだけになってしまう。
運が悪かった、と嘆くだけではつまらない。
風や雲のありようは、僕たちには偶然に見えるけれど、
宇宙から見れば必然なのではないだろうか。